個人事業主、合同会社、結局どっち?コンサルタント起業で私が合同会社設立を決定した7つの判断ポイント

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2025年に中小企業診断士試験に合格、長年勤めた会社を早期退職し、2026年4月に合同会社を設立、経営コンサルタントとして起業をしました。

その時に大きく悩んだのが、個人事業主、合同会社設立(法人化)のどちらで起業するのか、ということです。

今回は、様々な観点から、自分が悩んだ点、最終決定した時の考え方、現時点の状況など、具体的な内容も踏まえながら、まとめてみたいと思います。

目次

個人事業主と法人、基本的な違い

実際、起業して自分で仕事をしていく上で、個人事業主、法人という2つの方法がありますが、具体的に何が違うのか明確に答えるのは難しいですね。

簡単に私なりにまとめますと以下となります。

個人事業主

個人が主体となって業務を請け負い、仕事を進めることです。すなわち、プライベートと合わせて仕事をしていき、売上、利益を上げていきます。

さらにわかりやすく考えると、

その家の家計簿の中に、仕事のお金の出入りが入ってくる

というイメージかと思います。

最終的に決算は、家の確定申告と合わせて行われる

ということになります。

あと、経営コンサルタントとしては、影響はそれほどないかと思いますが、「無限責任」になるので、何か損害賠償など発生した場合は、個人として責任をとっていく必要があります。

法人

個人とは別人格(法人)をもって仕事をするということで、会社員をイメージするのが分かりやすいと思います。

会社の売上や利益は、自分の家計簿とは全く別になり、合わせることはできないですね。

決算月に会社として決算を行い、個人の確定申告とは全く別に会社として実施することになり、お金のやり取りは基本的には、役員報酬となり、法人から個人に受け渡しが行われます。

また、法人は原則として有限責任となります。

一般的な考え方

私が検討していく中で、インターネットなどでよく見たのは、売上900万円から1000万円程度が1つの目安として、それより低ければ個人事業主が有利、高ければ法人化が有利、というのをよく見たように思います。

これは、実際の経理的な観点での判断基準と思いますが、経費や役員報酬で変わる部分もあり、確かにそうかな、と理解している部分はあります。

しかしながら、私が多くを調べる中で、それがすべてということではないと考えています。

実際に私は、売上規模が全く見えない中、合同会社を設立し起業しました。上記基準なら個人事業主スタートが妥当になりますね。

経理的な面だけがすべてでなく、その人その人で大切な考え方がありますので、そのあたりも重要な判断基準になると思います。

ここからは、私が合同会社設立の判断をした7つの判断ポイントと、合同会社代表として仕事を進めての実際の感覚も交えながら紹介していきたいと思います。

個人事業主か法人設立か、結局どっち

判断ポイントまとめ

最初に、判断ポイントの項目と私の考えた重要度、ポイントごとの評価をまとめます。

   判断ポイント          私の重要度     私の最終評価

1  税金、各種費用         ★★★★☆     個人事業主が当初は有利

2  節税              ★★★☆☆     合同会社が有利

3  社長という立場(対一般)     ★★★☆☆     合同会社が有利

4  社長という立場(対同業者)    ★★☆☆☆     個人事業主が有利と当時は判断

5  手続き、経理対応         ★★★★☆     個人事業主が有利

6  法人としての信頼性        ★☆☆☆☆     合同会社が有利

7  健康保険料            ★★★★★     合同会社が有利  

以下にそれぞれの内容について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

1. 税金、各種費用 (私の重要度:★★★★☆)

私の最終評価 : 個人事業主が開業当初は有利

ここはどのように算出するか難しいところです。

収入額を仮に設定し、それぞれの収入でどちらの支出が大きいかを自分なりに計算をしました。

個人事業主の場合は、家計と合わせた収入に対し、税金が決定されますが、法人の場合は、会社の収支、家計の収支と、2つのバランスをとることができます。

役員報酬(法人から個人への給与支払い)の金額設定による、法人と個人の収入のバランスが重要となります。

累進課税の下では、収入が大きければ税金の率が大きくなる度合いが高くなり、また、税率の上限が高い家計の所得税の支払いのある個人事業主は、税率が高くなりやすいため、収入が大きく増えれば法人が有利になるのが一般的な考え方です。

一方、法人税については、法人税等の実効税率の上限が30~35%と低いことはメリットの一つですが、収入が少ない場合は、法人住民税の均等割というのがあり、これは、法人が赤字であっても毎年7万円の支払いが発生します。

この7万円は、特に収入が少ない時の大きな負担になり、デメリットになります。(私の現状・・・)

しかしながら、個人事業主と給与取得者(合同会社役員)では、所得控除額に違いがあり、ここは、給与取得者(合同会社役員)にメリットがあると判断しました。

その他、私の調べた限りでは下記があります。

・合同会社設立での費用 : 7~8万円はデメリット(開業時のみ)
・会計ソフト費用 : Freee費用 3万円/年はデメリット(2年目以降は自力で対応したい)
・税理士契約費用 : 診断士ということで会計の概略が分かっており、現時点自力で決算対応

起業初期の売上の少ない創業初期などの時期は特に、個人事業主にメリットがあると考えています。

具体的な数値的判断は、税理士さんなど、専門家にご相談をお願いします。

2. 節税の可能性 (私の重要度:★★★☆☆)

私の最終判断 : 合同会社が有利

ユーチューブなどでも節税(合法的に経費を増やし、税金を減らすこと)の内容は多くの発信がなされています。

上記の税金の内容の中に入る部分かもしれませんが、節税の幅は、合同会社が大きくなると考えました。

特に私が経営コンサルタントとして有利に感じたのは出張旅費手当についてです。

経営コンサルタントは、出張が多く発生しますが、毎回、支出した費用を処理するのではなく、妥当な金額を出張の内容に合わせ、適切な規程として整備し設定しておくことで、法人の経費として処理できます。(処理の手間も省けます)

例えば、食事ありの日帰り出張や、宿泊出張などで、それぞれの金額を設定し出張した際には出張手当として経費処理します。

妥当な範囲で設定することと、一貫した内容にするために「出張旅費規程」の策定が必要です。

状況によっては家を社宅とし、家賃を会社の経費にする(私はやっていませんが)など、他の節税策も活用することができます。

ここは、法人にメリットがあります。

あくまでも、法令に沿って適切に運用することが前提の内容となります。

3. 社長であるということ(対 個人的な相手) (私の重要度 :★★★☆☆)

私の最終判断 : 合同会社が有利

今後も多くの仕事以外の方々と付き合っていくことになると思います。

その時に、「何してるの?」と聞かれた時に

「社長してます」と答えることができます。

これまでサラリーマンとして仕事をする中での「社長」のネームバリューは大きいものがあり、憧れの部分があるのかと思います。

従業員は私一人ですが、「社長」と紹介できる、また、「社長」と呼ばれることに喜びを感じることは1つの観点かと思います。

人生で「社長」と呼ばれる時期があってもよいのではないでしょうか。

会社社長として名刺交換ができることは法人化のメリット

4. 社長であるということ(対 同業者などの相手)(私の重要度:★★☆☆☆)

私の最終判断 : 個人事業主が有利と当時は判断

3. に対して、1 社会人として長年仕事をしてきたとは言え、経営コンサルタントしては経験が浅い状況で、

例えば協会の先輩方や、ベテランコンサルタントの方々に対し、どのように思われるか、と心配に思いました。

名刺交換などで自身を法人代表として自己紹介をすることに対しては、特に、個人事業主のやり手の先輩だった場合は、先方より、「新人で実績もないくせに」などと思われるのではないか。

また、それにより仕事の受注に影響がでたらどうしよう、などと考えました。

ここは、検討時点では、法人はデメリットでした。

法人代表としてスタートしての感想としては、この点は、特に実際に気後れを感じたことやデメリットを被ったことはなく、現時点では、思い過ごしであったと思っています。

ただし、相手の方々がどう思われているかは ” ? “ です。

5. 経理対応、決算対応、法人設立 の手間 (私の重要度:★★★★☆)

合同会社では、経理処理があり、個人事業主より大変

私の最終判断 : 個人事業主が有利

1つの会社として、決算業務、また、日々の経費処理が必要となります。

現在、Freeeを用いて経費処理を進めていますが、かなり面倒です。

決算処理はまだ経験していませんが、おそらく大変になることが予想されます。

特にややこしいのが、役員報酬の対応です。

おそらくこのあたりは、個人事業主は家の収支と一体となっており、給与を払うという概念がないため、法人独特の対応の内容であり、

また、社会保障費や税金の源泉徴収など、会社と家の関連がややこしく、また、それぞれ処理が必要になります。

できる限り自動引き落としなどを活用し、楽にするようにしているものの、都度、Freeeへの登録が必要になり、結構手間がかかります。

これらは、ほぼ当初、予想していた通りの内容となります。

合わせて、合同会社の場合は、法人登記に手間と時間がかかります。

必要な書類がたくさんあり、司法書士様の書類承認が必要で、法務局や税務署、市役所など、あちこちに書類提出が必要になります。

Freeeには、かなりお世話になりました。

これは、法人設立すると決めた場合は、初期の1回だけの内容なので、それほど判断への影響はありませんでした。

これら手間の内容は、明らかに法人に対してはデメリットになります。

しかしながら、経営コンサルタントを行う上で、決算業務や費用処理の関連、また、会社設立の手順など、自分で経験していることで、よりよいコンサルができのではないかと感じている部分もあります。

6. 「法人」での信頼性の高さ (私の重要度:★☆☆☆☆)

私の最終判断 : 合同会社が有利

個人事業主か合同会社かをいろいろ調べていてよく出てくるのが

「信頼度がアップし、受注の可能性が高まる」 ということでした。

ここは、実際のところ、実感として予想することが難しかったため、私としては重要度1として判断しました。

起業してどう感じているか?

クライアント、銀行、各種組織へのメール発信時の、自分の名乗りは常に、会社名+名前であり、

また、受信時も宛先はだいたい会社名+名前となります。

これが信頼度につながっているかわかりませんが、会社の1代表と認識されているのは間違いありません。

また、コンサルの大先輩とお話する機会があり、その時に、合同会社でスタートした理由を聞かれ、その時に

「合同会社でスタートしたのは正解、信頼度が高くなる」とお話をいただきました。

決定時の重要度は「1」でしたが、現時点は「2」あたりでしょうか。

今後、売上に繋がっていくことを願っています。

7. 国民健康保険料の高さ(1年目のみ)(私の重要度:★★★★★)

私の最終判断 : 私の場合、合同会社が超有利

検討の後半戦で判明した内容です。

上の費用のところに含まれる内容化もしれませんが、あまりにもインパクトが大きかったため、1つの項目としました。

個人事業主は健康保険として、国民健康保険に加入する必要があります。

合同会社の社員は、大きな会社で独自で健康保険組合があれば、その健康保険組合に入りますが、それ以外の方は、協会健保に加入します。

ここで、私の場合は、実は、2026年度の年間で70~80万円、国民健康保険の方が協会健保より割高になることが分かりました。

あくまで、今年度 1年間の話ですが、あまりの額の違いにびっくりしました。

この差はどこで発生するのか、ですが、

国民健康保険は、昨年1月~12月(例えば2025年)の年間所得を基準として算出される一方、

協会健保は、今年4月~来年3月(例えば2026年4月~)の役員報酬を基準として算出されます。

私の場合、昨年(2025年)12月末まで、会社員として働いていたので、その時の年収で国民健康保険の保険料が算出され、高めになる一方、

今年4月に会社を設立しその時設定した役員報酬は実績を見越し低めに設定するため、協会健保の保険料は低く設定されることになり、

その差額が年間、70~80万円になってしまうのです。

来年は、国民健康保険料も今年度がベースとなるため、差額は小さくなると考えられますが、今年1年間の費用の差があまりに大きく、この点は個人事業主の大きなデメリットとなります。

あくまでも、サラリーマンとして年末まで勤務して独立開業した私のパターンで極端な例かもしれませんが、同じような状況の方は確認されることをお勧めします。

合同会社設立の選択 と 私の決意

以上、7つの判断ポイントから、それぞれの重要度を掛け合わせ、最終的に総合点数で決定をしました。

実際の所、7番目の国民健康保険の事実が判明するまでは、総合点数にて僅差ではあったものの、個人事業主を選択することでほぼ決定していました。

健康保険料の計算が抜けており、というか、それほど違いはないであろうと考えていましたが、実際に計算をして、初年度にこれだけ差がでることに驚き、

そして、初年度から合同会社設立する、という判断に至った大きな決定打となりました。

今回、多くの時間をかけて検討し、合同会社を設立しましたが、当然のことながらこれはゴールではなく始まりです。

お客様に「頼んでよかった」と満足をいただきながら実績を積み、私が選んだ「合同会社」という器にどれだけ価値を積み重ねていけるか。

自分の会社の目指す姿を明確にし、その実現に向けて着実に取組みを推進していくことが本当に重要と考えています。

経営コンサルタント会社の代表社員として、この決意を忘れることなく、一歩づつ確実に歩んでいきたいと思います。

今回のまとめ

個人事業主か、合同会社設立か、という選択は、経営コンサルタントのみならず、事業を始める多くの方が悩む内容だと思います。

様々な観点で検討し、その中で、自分は何を大切にしたいのかということを考えて、納得し結論を出すことが重要と思います。

合わせて、どちらの形態であっても、あくまでも器であり、どのように中身を充実させ、自分の事業の目標達成に向けて取り組んでいくかが、最終的には重要だとの考えに至った次第です。

1つ1つ、着実に頑張っていきます!!

今回も最後までブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今回の内容が、同じように起業を控えて悩んでいる方に、少しでも参考になれば嬉しいです。

個人事業主、合同会社設立、法人化、などについて、コメントやご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせをお願いします。

また、会社設立のご相談なども承っております、こちらも問い合わせよりご連絡いただければと思います。

※なお、この記事は私自身が起業時に調べ、経験した内容をまとめたものです。税務・法務・社会保険制度は個々の状況で異なりますので、実際の判断は税理士・司法書士・社会保険労務士などの専門家へご確認ください。

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この記事を書いた人

30年以上にわたり電機メーカーにて業務推進、マネジメントに従事。モノづくり現場での実務経験を強みに、中小企業診断士としての体系的なノウハウとコンサル経験を掛け合わせ、原価構築を基軸に、製造業の生産性向上・現場革新をご支援しています。経営者の皆様のお悩みに寄り添い、実行できる改善策の立案から定着までを伴走いたします。

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